別の部屋にひけーこんは迷わず入っていった.

その部屋はさっきカハシがいた部屋と同じつくりをしていた.

2段ベッドが2台置いてある.

誰かさんと同じように見え見えな隠れかたをするものが4人もいることがわかった.

布団まで揺れているベッドもあった.

それでもひけーこんはそんな者達には興味がないかのように目もくれず,左右にあるベッドのうち,右側の下のベッドのまたさらに下をのぞいた.

火神は何をしようとしているのかわからなかった.

おそらくベット下にいるのが生神なのだろう.

「まだこの世にはいさせてやるひけ.

 お前が出てくれば,この建物の他の者には絶対に手を出さないひけ.

 さあ,出てくるひけ.」

ひけーこんはよく見えない暗がりに向かって説得にかかった.

その暗がりから細くてつやつやした足が現れてきた.

おそらく女性だ.

それからもゆっくり右半身が出てきた.

「…!」