「ずっと逃げていた訳じゃないんだ.

 海の上での戦いは水属性の僕にとっては有利ではなかった.

 だから風神と聖…」

「言い訳をするなひけ.

 さあ,外へ行って一匹でも多く倒してくるひけ.

 生神の復活には火神一人いれば十分ひけ.」

水神はあの牢獄のことを思い出してしまって気分がえらく落ち込んでしまった.

ベッドから起き上がって,下を向いて影を引きずってとぼとぼと部屋を出て行った.

去り際に一言残していった.

「ここが僕のいた孤児院だったんだ.

 すごく短い間だけどね.」


 ひけーこんもその後を追うようにカハシのいた部屋を出て行った.

「まさか水神が生神…?」

「そんなことはないひけ.

 闇軍団を倒すのが最大の使命ひけ.

 …倒せば,復活しなくてもいいひけ.」

火神はおそるおそる聞いてみたが,すぐに打ちのめされてしまった.