After -deconstruction "God Ideology"




 それは不思議な感覚だった.

町に近づけば近づくほど,反対に静かになってゆく.

急いでゆく自分達の足音と心の衝動は増してゆくばかりだ.

静かといってもいろいろな種類のものがあるが,黒い静けさである.

何もかも飲み込んでいくような静けさ.

しかも噛み砕いていくように生臭いまだ飲み込んでいない物体….


 初めてその物体に出会ったのは,もう足音が弱くなってしまいそうになった時だった.

「おい,大丈夫か.」

土神は地面に横たわっていた数少ない集積の管理番が倒れていた.

土神がゆすれば動いたが,すでにもう動こうとはしていなかった.

土神は舌を鳴らすと更に中央の市場の方に向かっていった.


 神達は土神が先人を切ってどこかに行ってしまったのを機に個人行動をすることになった.

というよりもこのミナトシティを死守するという本能からなのかもしれない.