「でもまだ安心できないわ．

　奴らは潜むのも得意にしているから．」

「ああそうだ．これからもずっとやっていくつもりだ．

　それよりもマジックヴィレッジの場所は見つかったのか？」

「まだ見つかっていないわ．

　やっぱり雲の中にあると見ているけど．」

「ミナトシティに本格的に攻め入るか．」

「ミナトシティを堕とせば，この世界はほとんど堕としたのも当然．

　あいつらもこの地上が全て我々の陣営に加盟すれば，さすがに抵抗できないはず．」

スーイアはジムを鋭く見ていた．

ジムもスーイアを見ていた．

でもその中には恨みは感じられなかった．

「もし，奴らがサルベージュでも呼び寄せたら話は別になるが．」

「サルベージュ？

　そんなものを呼んだ場合にはこの星そのものがなくなってしまうわ．」

二人はしっかりと見つめあった．

「そ，そうだわ．

　フィリティカルの物理兵器の開発状況はどうなっているの？」

「ああ，そのことか．

　心配することはない．

　ヤルサ兵器工場長に来るはずのない俺のポストをおとりに圧力をかけている．

　あいつの裏も知っている．奴が光軍団でない限りはな．」

二人の会話は終わり，語らいの場を会議室から王の寝室に移した．