聖神が川をどんどん登っていく.

他の神もそれに続いてどんどん登っていく.

川幅もどんどん細くなっていく.

それなのに,川の温度も,匂いも変わることはなかった.

はじめ三人は並ぶことができたこの川も今では一人分の幅がせいぜいといったところだ.

それでも休みなく進んでいく.

川の流れとは反対に吸い込まれそうな気分になりそうだ.


 それもいつかは終わりが来る.

水が湧いている場所でもないのに行き止まりになっている.

聖神の正面には大きな岩というよりも扉のようにそびえたっている.

その扉は完全ではないらしく,隙間が多くあり,そこから水が漏れていて,それが川のようになっているようだ.

「行き止まりみたいだな.」

土神は腕を組もうとしたが腕が狭い壁にあたってしまっていた.

ある意味では高さがあるのでさえ不思議なくらいだ.

「違うわ.」

聖神は気にもしないで下を向いて祈り始めた.


 その頃一番後ろについてきていた水神は天井を見ていた.

溶けた岩が再び岩に戻ったその気分を表すような三角のでっぱりに触ってみていた.

出っ張りにはもう力はないようで,取れこそしなかったが,さっきから圧迫感を感じる壁と何も変わっていなかった.