After -deconstruction "God Ideology"

「これがアラモデラ山か.」

雷神はおどけたようにそう言うと,すぐに山道を走り出していた.

「おい,雷神.

 単独行動はよくないぞ.」

土神の低くて愛情に満ちた声が雷神を刺激する.

「はーい.」

雷神はすぐに一行の中に戻った.

アラモデラ山の一本道で安全な山道は終わり,徳石の鍵が出てくる鉱山内部に入っていった.

鉱山内部はしばらく,あるいは長い間誰も入っていないせいか,ほこり臭く,静かだった.

聖神があらかじめ持ってきておいた木に光をつけた.

照らされた光が内部に作られた岩の姿を現にする.

岩には乾燥した苔がたくさんついている.

もう苔も死んだのだ.

「さあ,行こう.」

聖神は他の神を先導していく.

目的の場所が上にあるのはわかっていたが,この内部がどうなっているのかがわからない.

でも何かを信じるように先に進んでいった.

もちろん愛犬マテーラもいたが,マテーラも何の匂いかわからないものに対しては無力だった.


 それでもなお,登りつづけていた.

もう前後左右似たような光景だった.

それでもなお,少しずつ上のほうに上昇してきていた.

どの神も黙ってついてきていた.