「しかしながら尊敬すべき星月様.

 私の未熟さゆえに理解できない部分があるのです.」

そこで声を上げたのはやはり聖神だった.

「われらが望むのは黙っていることではなく,実行すること.

 遠慮なく聞きなさい.」

見えない闇の中から見えそうな音がしてきた.

聖神はそれに応えた.

その間,他の神たちは緊張した面持ちで一様に動かなかった.

「なぜ生神を召還するのに殺さないといけないのでしょうか.」

「いい質問だ.

 下僕の神よ,これはお前の血が聖神たらんとする条件と同じ.

 つまり生神たる者,生はもちろんのこと,死についても経験しなければならない.

 聖神や水神,雷神の結石界は生まれながらにして持ち合わせている.

 死の経験がいらないからだ.

 死の前には必ず生がある.

 生神の結石界は生と死の証拠なのだ.

 そして今われらが知る限りでは,誰がその器なのかわからない.

 そういうことなのだ.

 以上.」