After -deconstruction "God Ideology"




 貧富差のあまり多くない現在のディベルディンダ国の中でぼろを身にまとったような身寄りのない雷神を捜すのはあまり難しいものではなかった.

機敏で洞察力の高い風神は探し始めてから30ノーゼもしないで見つけることができた.

雷神と思しき人は平和の広場と並んでディベルディンダの名所の城跡にいた.


 見つけたのはいいが,すぐには捕まえられなかった.

風神は確かに素早かったが,男性の雷神を捕まえるのは難しい.

一緒にいる土神は力は十分であったが,動きでは負けてしまう.


 風神と土神は聖神(と愛犬マテーラ)と火神,そして水神を呼びにいった.

再び神達は集まり,追い詰める作戦を練っていた.

「行き止まりに追い詰めたらどうだ?」

土神は皆に提案した.

「何かよい場所は?」

聖神は提案に対して,詳しい説明を求めた.

「今も奴は城跡にいるはずだ.

 そして都合がよく,城跡の中は無茶苦茶だ.

 奴はディベルディンダに詳しいとは限らない.」

「限らないというのが気になるが,まあいい.

 ここであれこれ議論している暇はない.

 さっさと行動しよう.」

聖神は愛犬マテーラと共に城跡の中に入っていった.

他の神達も無言でついていった.