After -deconstruction "God Ideology"




 この重要な局面において来ていないひけーこんは風神の言うとおり,星月様と共に実験室にいた.

この実験室はもちろんマジックヴィレッジの中にある.

しかしこの共同体の主とも言える存在の星月様とその下僕のひけーこんだけがこの場所を知っている.

他の属性神やその下女下男は場所はおろか存在も知らない.

「どう,成功しそう?」

月様は何かの実験をしているひけーこんに迫った.

「月様,どうやら成功しそうです.

 あとは肉体があればいいひけ.」

「ふーん,そうなの.」

ひけーこんの実験は何か小さい皿のようなものの上に白っぽい液体が入っていて,それをいろいろいじっているようだ.

地下にあるせいか,薄暗く見える.

「そうだ,もう一度私もした方がいいのかしら.」

星様は少しだけ照れながらひけーこんに聞いた.

「おそらくは大丈夫だひけ….

 むしろその器の方が問題だひけ.」

「ではどのような器だったら問題がないのかしら.

 土人形に私が仮初の魂を入れても問題があるのでしょうか.」

「やはり,たとえ幼い子どもであっても,自然の命を授かった子どものほうが優秀だひけ.」

「しかし,子どもは成長するまでに時間がかかるのでは.」

「そんなことはないだひけ.

 <これ>は身体についての情報をもっているひけ.

 宿った身体を自分のものに書き換えようとするひけ.

 土人形には人間の細胞が全くないひけ.

 だから姿形は完全には意味のあるものにはならないだひけ.」