入口にはコロ村へと行ったときと全く同じ光景があった.

また,いかにも愚痴をこぼしたさそうに立っている風神とその話を聞かされてげんなりしていそうな火神がそこにいた.

「ちょっと,またアンタァー.

 もういい加減にしてよ.

 こんなコト,アタシのやる仕事じゃないのよ.

 さっさと終わらせてふかふかのベッドでお姫様になるんだからね.

水神も,そして火神さえも何も言わなかった.

反抗することはより多くの圧力を受けることが必要となることであるということをもう悟っていたのだ.

「しっかしー,あの雷神って何アレー,信じられない.

 何日風呂に入っていないの?

 通り過ぎただけで臭おうのよ.

 あー,なんであいつを捕まえないといけないのよ.」

風神の愚痴はまだ止まらなかった.

その話を聞き流していた水神はあることを思い出していた.

「風様は待っておられます.

 お急ぎください.」