*
リーリュスの駅に2人と1匹の一団は着いた.
フラメラスの港にいた頃は,さえた青い空であったが,今はもう灰色のどんよりとした雲が広がっている.
「もうすぐ雨が降る.
この時期にはよくある事だ.
急ごう.」
火神は口早にそう言った.
そして急いでとことこと先に歩いていった.
駅があるといっても,駅前に何かある,といえるようなものはあまりない.
郵便局と役場を兼ねたような小さな建物と品物も多くない雑貨店が1つあるだけである.
ムカマハヤタ大陸にある鉄道の中でももっとも開けていない駅前になってしまっている.
火神はジラスだった頃を確認するように自分の住んでいた家の方に進んでいた.
一団が進んでいってもジラスがそこにいても,村人とは誰もすれ違わなかった.
それでも火神は何かに引っ張られるように進んでいっていた.
しかし,ある時急に足を止めた.
火神の目の前には畑があった.
「荒れている….
ここは確か….」
火神は走ってその畑の中を走り回った.
水神はただただそれを見ているだけしかできなかった.
「どうしたんだひけ.
お前は火神だひけ,土神ではないひけ.」
「あのさー,ひけーこん.
ここはジラスの故郷なんだよ.
やっぱり火神だけで割り切れないことだってあるんだよ.」
水神がひけーこんの肩を叩いてなだめるようにそう言う.
リーリュスの駅に2人と1匹の一団は着いた.
フラメラスの港にいた頃は,さえた青い空であったが,今はもう灰色のどんよりとした雲が広がっている.
「もうすぐ雨が降る.
この時期にはよくある事だ.
急ごう.」
火神は口早にそう言った.
そして急いでとことこと先に歩いていった.
駅があるといっても,駅前に何かある,といえるようなものはあまりない.
郵便局と役場を兼ねたような小さな建物と品物も多くない雑貨店が1つあるだけである.
ムカマハヤタ大陸にある鉄道の中でももっとも開けていない駅前になってしまっている.
火神はジラスだった頃を確認するように自分の住んでいた家の方に進んでいた.
一団が進んでいってもジラスがそこにいても,村人とは誰もすれ違わなかった.
それでも火神は何かに引っ張られるように進んでいっていた.
しかし,ある時急に足を止めた.
火神の目の前には畑があった.
「荒れている….
ここは確か….」
火神は走ってその畑の中を走り回った.
水神はただただそれを見ているだけしかできなかった.
「どうしたんだひけ.
お前は火神だひけ,土神ではないひけ.」
「あのさー,ひけーこん.
ここはジラスの故郷なんだよ.
やっぱり火神だけで割り切れないことだってあるんだよ.」
水神がひけーこんの肩を叩いてなだめるようにそう言う.
