「それじゃ、また明日。」

「おぅ。」

そう言って別れた私達が入るのは隣同士の家。

私がかばんから家の鍵を取り出そうとすると、その手を彪が掴んだ。

「彪……?」

「その…じゅんに、はしおって相談があるんだけど。」

「…おりいって相談ね。」

こいつの頭はどうなっているんだろう。

かばんから手を取り出して、隣の家の玄関に向かう。

すたすたすた。

小学低学年生の時は20歩で行けた距離。

「彪!5歩でいけた!」

「はぁ?俺なんか3歩でいけるわボケ。」

悪態をつきながらも、彪の口が緩む。

彪の家に行くってことで相談に乗ってもらえることを察したんだろう。

可愛いやつだ。