「築地ぃ?遅いよ!」

「悪かった。どうする?」

「3つで許す。あ、純ばいばーい!」

あ、うん。ばいばい。

そう返した私の声は、震えていなかったかな。

急に不安になって、周りを見回す。

築地くんの好きな人。

最初からわかってた。

築地くんといつも一緒に帰る、天真爛漫で明るい笑顔が可愛い私の大親友。

日向井夕莉。

築地くんと知り合えたのも、夕莉が紹介してくれたからだ。