「…人?」
「ん?」
ボソッと零してしまったあたしの言葉に、井上くんはキョトンとする。
「人限定…ってことはないんじゃない。それは本人の感じ方じゃね?」
「どういうこと?」
「テーマは『愛しいもの』だから」
愛しいもの。
後頭部を鈍器のようなもので殴られたように目の前が真っ暗になって意識が飛びそうだった。
なんだ、そっか……
そうだよね、ただ…
からかわれただけだったんだよね。
あたしじゃなくたってよかったんだ。
…違う。
あたしなんて、必要なかった。
先輩のあの瞳が思い浮かんだ。
彼女を見つめるあの愛しそうな瞳。
初めから決まっていたんだ。
だから、一度だってあたしを撮ろうとしなかった。
撮る必要なんてなかったんだ。

