展示場として用意されているのは3階の小さなホールで。
ここは普段はオリエンテーションなどで使われる場所。
文化祭のときは、ここがいつも作品展として使われていた。
自分の作品に真っ白な布をかぶせてその展示場へと向った。
当日までは自分の作品は見せることはなく、すでに展示されている作品にも同じように布がかぶせられている。
入って左が美術部、右が写真部。
「あれ、おまえらも持ってきたんだ」
中には先客がいて、それはさっき写真を撮ってくれた井上くんだった。
井上くんの手には大きなパネル。
「すごーい、かなりの力作だね」
どんな写真だかわからないけれど、大事そうに抱えたパネルと『まあな』とニカッと笑うその自信に満ち溢れた井上くんの顔を見れば一目瞭然だ。
「写真部のテーマって何?」
美帆が何気なく井上くんに尋ねる。
そういえば、テーマ、聞いたことなんてなかった。
ただ人物写真が必要だって言ってたくらいで、何も教えてくれなかった。
もし聞いたところで、先輩がそれを答えてくれたかはわからないけど。

