美術室に戻ると、美帆が笑顔で迎えてくれた。
その笑顔に何度救われてきただろう。
ここであたしの帰りを待っていてくれたことが、素直に嬉しかった。
遅くなったことにも何も触れず、何も聞かないでいてくれた。
上手く笑えていないことにも、触れないでいてくれた。
購買の袋から取り出したのはメロンパン。
「これ、好きでしょ?」
「うん、ありがと」
大好きなメロンパンを受け取って。
大きな口をあけて頬張った。
「……美味しい」
「そう、よかった」
「うん、美味しいよ」
無意識に一粒だけ流れた涙がメロンパンに染み込んでいく。
ちょっぴり切ない味がしたのは、そのせいかもしれない。
「食べたら作品もっていっちゃおうか」
「うん、そうしよっか」
そう言って、もう一口メロンパンにかじりついた。
その隣で美帆も同じようにパンに頬張って。
他愛もない話で、二人クスクスと笑いあった。

