やたらと明るい声が屋上に響く。
その声があまりにも作りものぽくって、今度は本当に笑えてきた。
そんなあたしを怪訝そうに見下ろして、その瞳は氷のように冷たい。
何を言うわけでもなく、だからと言って目を逸らしてもくれない。
耐えられなくなったのはあたしの方。
「あ、まだ部活の作品が途中なので……」
嘘、出来上がってるくせに。
「もう行かないと」
早くここから逃げ出したい。
そうじゃないと、その瞳に捕らえられて逃げられなくなってしまう。
ペコリと頭を下げて、視線を落としたまま先輩の隣を通り過ぎようとしたときだった。
すれ違いざまに掴まれた腕、前に進むはずだった足はこれ以上動かせなくて空中に止まったまま。
先輩の熱に、匂いに、息が止まったような気がした。
「……はなしてください」
あたしの蚊の鳴くような声が先輩に届いたのかわからない。
「…はなして」
「…………」
「はなしてってば!!」

