「…酷い顔」
鏡に映った自分の顔が、あまりにも酷すぎで笑えてくる。
クレンジングクリームを手にとって、真っ黒な顔にクリームを馴染ませていく。
パンダみたいだった真っ黒な目元が、元の幼い自分へと戻っていく。
この真っ黒なものと一緒に、このドロドロとした気持ちも流せたらいいのに。
そうしたら、こんなふうに苦しくて泣きたくなんような気持ちにはならないのに。
鏡の前のスッピンの顔。
幼くて、可愛くない自分の顔。
今は不貞腐れていて余計に見ていられない。
先輩に写真を撮ってもらうために頑張ってきた苦手なメイクも。
もう意味がない。
ここ最近はそれなりに頑張ってきたけど。
それももう必要ないんだ。
サッパリしたはずなのに。
まだドロドロしたものが胸につっかえてる。
当たり前か、そんなに簡単に流せるならもっと前にキレイサッパリ洗い流してる。
フワフワのタオルに顔を埋めると、柔軟剤の優しい香りがした。
さっきまで鼻についてたあの人の甘い香りを上書きするようにあたしを包んでくれたような気がして。
ほんの少し心が救われた。

