「アズもちょっと気にしてるのよ」
美帆が梓の後ろ姿を眺めながらボソッと零した言葉に。
苦笑いするしかなかった。
あきらかに寝不足で空元気なの、梓も気がついてたってことか。
「写真って誰が撮るの?」
「井上に頼んであるの。準備できたら電話するって言ってある」
井上くんはうちのクラスの唯一の写真部で、準備期間から当日までの写真を撮ってくれることになっていた。
「ほら、美帆も葵も早く着替えちゃってよ。メイクはここにあるの使って。髪はあたしがやってあげる」
すでに着替え終わった梓は器用に自分の髪もアレンジしながら、鏡越しにあたしたちを見てどんどん指示を出していく。
何度か試着したメイド服にはもう抵抗もなく、言われたとおりに自分の衣装を手にして着替え始めた。
フリフリのメイド服。
クルンと巻かれたツインテール。
睫毛もクルンと持ち上がってて目元もパッチリ見える。
美帆も梓もあたしと同じ服を着て、いつもより乙女チックな髪型をしているはずなんだけど……
どうしてこうも違うのだろう。
子供っぽいあたしに比べて、この二人は変に大人っぽくて変にエロイ。
普段は隠されている身体のラインとか、アップにしたことで見えるうなじとか。
どうせあたしはまな板だし…なんて、不貞腐れている間にいつの間にか呼び出していた井上くんが教室に顔を出したことで撮影会スタートした。

