昨日と同じピンクのヘルメットを装着して。
昨日と同じようにバイクの後ろに乗せてもらった。
また感じられる先輩の温もりに、やっぱりドキドキしすぎて息苦しくなった。
行き先は、昨日言っていた海。
バイクで10分もかからないくらいの場所にある海岸は、海開き前だから誰もいなくて少し悲しい感じもした。
いつも通り、あたしたちの間に会話なんてなくて。
聞こえるのは波の音だけ。
さっそく先輩はカメラを片手に、地平線に沈んでいく太陽を眺めていた。
先輩がカメラを構えただけで、周りの空気が張り詰めたようなシーンとしたものへと変わっていく。
居心地が悪いわけじゃないのに、息の仕方を忘れてしまうくらいに彼の姿に魅入ってしまうんだ。
カメラを構えた姿は何度か目にしたことはあったけれど、あたしがいることに気がつくとすぐにやめてしまっていた。
だからちゃんと写真を撮る姿を見るのは初めてだった。
言葉もなく、ただひたすらにシャッターを押す音と波の音が辺りに響いているだけ。
誰もいない砂浜で、真剣な眼差しで写真を撮るそんな吉良先輩の後ろ姿を見て。
ときめかないほうが可笑しいって。
ドキドキしないわけがないって。
先輩のその姿があまりにもキレイすぎて。
これ以上見ていることが辛くなって、ふと視線を逸らして小さく息を吐いた。

