◇ヌードで魅せて◇



昨日と同じピンクのヘルメットを装着して。

昨日と同じようにバイクの後ろに乗せてもらった。


また感じられる先輩の温もりに、やっぱりドキドキしすぎて息苦しくなった。


行き先は、昨日言っていた海。

バイクで10分もかからないくらいの場所にある海岸は、海開き前だから誰もいなくて少し悲しい感じもした。

いつも通り、あたしたちの間に会話なんてなくて。

聞こえるのは波の音だけ。

さっそく先輩はカメラを片手に、地平線に沈んでいく太陽を眺めていた。


先輩がカメラを構えただけで、周りの空気が張り詰めたようなシーンとしたものへと変わっていく。

居心地が悪いわけじゃないのに、息の仕方を忘れてしまうくらいに彼の姿に魅入ってしまうんだ。

カメラを構えた姿は何度か目にしたことはあったけれど、あたしがいることに気がつくとすぐにやめてしまっていた。

だからちゃんと写真を撮る姿を見るのは初めてだった。


言葉もなく、ただひたすらにシャッターを押す音と波の音が辺りに響いているだけ。

誰もいない砂浜で、真剣な眼差しで写真を撮るそんな吉良先輩の後ろ姿を見て。

ときめかないほうが可笑しいって。

ドキドキしないわけがないって。

先輩のその姿があまりにもキレイすぎて。

これ以上見ていることが辛くなって、ふと視線を逸らして小さく息を吐いた。