先輩に言われたとおり裏門を抜けて。
左に曲がってそのまま真っ直ぐ歩いていくと、小さな公園の入り口にたどり着いた。
閑静な住宅街の中にポツンとある小さな公園。
すべり台とブランコ、砂場があるくらいで。
昔ながらのシンプルな公園。
周りは緑に囲まれていて、ここが住宅街だってことを忘れてしまうくらい。
日も暮れだしたこの時間のせいか、公園の中にはもう誰もいなくて。
シーンと静まり返っていた。
風で少し揺れるブランコと、作りかけの砂のお城に忘れ物のスコップとバケツ。
少し前までここで元気に走り回る子供たちが思い浮かんだ。
今度ここを写生しに来てみようかな、なんて考えるだけでウキウキしている自分がいた。
本当は、それだけが理由じゃないのはわかってる。
もうすぐここに吉良先輩が来るのだと思うと、ウキウキだけじゃなくソワソワしてしるんだ。
誰もいないブランコに座って漕ぎ出すと。
ギギーッと少しさび付いた古い音を立てた。
一定のリズムを刻み、梅雨時の湿った生暖かい空気を体で感じる。
普段なら感じるはずの不快感も、不思議と感じることもなく。
ふと見上げた空で見つけた一番星に、フフッと笑みが零れた。

