◇ヌードで魅せて◇



先輩の大きな身体が、あたしの前に大きな影を作る。

目の前には、薄暗い部屋のせいでほとんど見えない先輩の制服のブレザー。


「あ、そろそろ、帰りますね」


適当に荷物を詰め込まれてパンパンになったカバンを胸に抱えて。

小さく会釈をしたあと、先輩に背を向けたときだった。


「裏の公園」


静寂の中、少しだけ擦れた先輩の声があたしの鼓膜を振るわせた。


「えっ…」


振り返ったところで、先輩の顔なんてよく見えない。

だけど、反対にあたしの表情は、窓からまだ少し差し込んでくる夕日のオレンジに照らされていて。

目を見開いたアホ面を、しっかりと見られたことだろう。

フッと、鼻で笑われた気がして。

ほんの少し肩が震えたような気がして。


途端に恥ずかしさで、頬に熱が集まっていくのを感じた。


きっと、馬鹿みたいに真っ赤な顔してる。

だけど、そんな赤面したあたしの顔を、夕日のオレンジが少しだけカモフラージュしてくれてるだろう。


「裏門抜けて左に行くと、小さい公園がある」

「公園…ですか?」

「そこで、待ってろ」

「えっ…?」


待ってろ…って?

もしかして、そこで写真撮るの?

でも、もうすぐ太陽も沈んでしまう。

だとしたら、明日のこと?


頭の中で、あれこれ考えてながら。

パチパチと瞬きを繰り返しながら先輩の顔を見上げた。