◇ヌードで魅せて◇



「だいたいこの一眼レフのデジカメ、フイルムのほうが味があって好きだけど現像が面倒だからな」


二つのカメラを指差し、そんなことを言う。


意外だった。

だって、いつもどんな質問をしたところで、まともに答えてくれたことなんてなかったから。

だから嬉しくてつい、笑顔になってしまう。


そんな愛おしそうな顔しちゃって。

本当に写真が好きなんだな。


「あれ…? でも、いつも暗室にいますよね?」

「あ…、あぁ…」


あたしの言葉に、今度は歯切れの悪い返事が返ってくる。

不思議に思って少し小首を傾げながら先輩を見遣ると。

あからさまにプイッと視線を逸らされてしまった。


…何それ。

感じ悪い。


なんて思ったけれど……

あれ? 今、あたし何言った?


やってしまった…と気がついたところで遅かった。


いつも、とか。

先輩のことを気にしていつも見てましたって、言っているようなものだ。

挙動不審になったところで、先輩はあたしに背中を向けているから見えないけれど。

今、どんな顔をしているのだろう。

今、何を思っているのだろう。


さっきの歯切れの悪い感じは、もしかしたらそのせいだったのかもしれないと思うと。

一人、紅く染めた頬を両手で押さえて。

ギュッときつく目をつぶった。