◇ヌードで魅せて◇



だからだろうか。


「……いいですよ」


気がついたら、そんな言葉を口にしていた。

ゆっくり立ち上がって、スカートについた埃を軽く払ってから。

先輩に視線を向けた。


「でも、ヌードモデルは無理です」


それ以外なら、と言うあたしを見て。

先輩が一瞬だけ笑ったように見えた。


「ヌードとか、冗談」

「えっ…」


先輩の言葉に、一瞬で顔が熱くなっていく。

きっと今、茹でダコみたいに真っ赤だ。


「からかったの…?」


フッと鼻で笑う先輩を見て。

羞恥心と一緒に怒りも込み上げてくる。

普通に考えて。

ヌードモデルとか、高校生が校内で撮るとかありえないけど。


「ひどい……」


唇を尖らせて、思い切り先輩を睨みつけると。

ククッと笑いを堪えているのか、微かに肩が震えていた。


「モデルは嘘じゃない。文化祭の作品に必要だから」


この高校の文化祭は毎年、写真部とあたしの所属する美術部が合同で作品展を行っている。

それぞれの部でテーマを決めて、それにそった作品を提出しなければならないのだ。


あたしも今、出品する作品を仕上げている状態。

文化祭に必要とか、そんなこと言われたら。

もう、断れないじゃない。

って言うか。

初めから、そう言ってくれればよかったのに…なんて思ってしまう。


……初めから言ってくれてたら。

あたしはすぐにYESと言っていた?