だからだろうか。
「……いいですよ」
気がついたら、そんな言葉を口にしていた。
ゆっくり立ち上がって、スカートについた埃を軽く払ってから。
先輩に視線を向けた。
「でも、ヌードモデルは無理です」
それ以外なら、と言うあたしを見て。
先輩が一瞬だけ笑ったように見えた。
「ヌードとか、冗談」
「えっ…」
先輩の言葉に、一瞬で顔が熱くなっていく。
きっと今、茹でダコみたいに真っ赤だ。
「からかったの…?」
フッと鼻で笑う先輩を見て。
羞恥心と一緒に怒りも込み上げてくる。
普通に考えて。
ヌードモデルとか、高校生が校内で撮るとかありえないけど。
「ひどい……」
唇を尖らせて、思い切り先輩を睨みつけると。
ククッと笑いを堪えているのか、微かに肩が震えていた。
「モデルは嘘じゃない。文化祭の作品に必要だから」
この高校の文化祭は毎年、写真部とあたしの所属する美術部が合同で作品展を行っている。
それぞれの部でテーマを決めて、それにそった作品を提出しなければならないのだ。
あたしも今、出品する作品を仕上げている状態。
文化祭に必要とか、そんなこと言われたら。
もう、断れないじゃない。
って言うか。
初めから、そう言ってくれればよかったのに…なんて思ってしまう。
……初めから言ってくれてたら。
あたしはすぐにYESと言っていた?

