「どうして好きになったらダメなの?」
「面倒だから」
即答だった。
顔は見えないけど、きっと本当に面倒くさそうな顔してるだろうと容易に想像できた。
こんな人が、こんなに素敵な写真を撮るんだもんな……
先輩は苦手だけど。
先輩の写真は、好きだなって思う。
手に持っていたファイルの写真は、きっと先輩が撮った写真で。
チラッと見えたその写真に、あたしはやっぱり心惹かれてしまうんだ。
写真を撮らない幽霊部員みたいに言われてる先輩は、こんなにもたくさんの写真を撮っていた。
ずっと気になってた先輩の写真をもっと見られる。
写真を姿を見られる。
これって、チャンスなんじゃないだろうか。
ふと、さっきの光景を思い出すと心がザワザワと落ち着かなくなった。
窓の外にカメラを構える先輩の横顔…すごく綺麗だった。
ここに来ればまた、あの先輩を見られるのかもしれない。
優しくて穏やかで温かい写真を手に。
これを、この先輩が撮ったのかと思うと不思議で。
だけど、こんな写真を撮れる先輩は、本当はすごく温かい人なんじゃないだろうかと思ってしまう自分もいた。

