◇ヌードで魅せて◇



「ごめんなさい。あたしにはモデルなんて無理です」


身体が半分に折れるほど深く頭を下げた。

一秒でも早くこの場所から離れたくて。

だから、何度も『ごめんなさい』と謝って。

散らばってしまったファイルを手に取り机の上に戻していく。


「困る。モデルが必要だから」

「じゃあ、違う人にお願いしてください」

「無理」

「む、無理…って」


そんなこと言われたって、あたしだって無理だ。

思わず、はぁ…と零れてしまった溜息は。

きっと、先輩にもよく聞こえてしまっただろう。


なんて居心地が悪いんだ。

多少雑でも、とにかく早くこのファイルを元に戻して逃げてしまおう。


そう考えて、黙々と片付けていると。


「モデルの条件は?」

「えっ…」


座り込んだまま見上げた先には先輩がいて。

だけど、逆光になってその表情はよく見えない。


「条件」

「…先輩を、好きにならないこと?」

「そう。だからあんたが好都合なんだ」


それは、あたしが先輩のこと“嫌い”って言ったから?