◇ヌードで魅せて◇



「あの…」


沈黙が耐えられなくて。

その瞳に耐えられなくて。

口を開いたのは、またあたしの方。


「どうして、あたしの名前…知ってたんですか?」


だけど、先輩は何も言ってくれない。


「なんで、あたしなんかがモデルなんですか?」


特別可愛くもない。

スタイルだってよくない。

いろいろ疑問に思うことばかりで。

どうして、なんで、とそんな言葉ばかりが頭に浮かんでくる。


それを先輩に問いかけたところで、答えなんて返ってこなくて。

結局また沈黙になってしまう。


もう、ホント…どうしろっていうんだ。


なんだか泣きたくなって、だけど絶対に泣きたくなくて。

下唇を噛んでグッと堪えた。


その瞬間。

フワリとその場の空気が動いて、途端にあたしの唇に触れた先輩の長い指。


「噛むな、切れるぞ」


突然のことで、先輩をポカンと見上げると。

下唇に触れた指がかすかに動いた瞬間、あたしの中にビリッと電流が流れる。


よくわからない感情に身体が微かに震えて。

慌てて後ずさり、先輩から離れると。

あたしの身体は後ろにあった机にぶつかって。

ドサドサと音を立てて何かが雪崩を起こした。


あぁ、もう…

何やってるんだろう。