◇ヌードで魅せて◇



そんな先輩と一瞬だけ見つめあった後、耐えられなくて視線を逸らしたのはあたしのほうだった。


「あの……」


視線を彷徨わせて。

恐る恐る言葉を口にしていくと。


フッと、鼻で笑われたような気がした。


「……来たんだ」

「えっ…」


予想外の言葉に、大きく目を見開いて。

唖然とするあたしとは反対に、馬鹿にしたよう鼻で笑う吉良先輩。


「来たんだ、って…」


来いって言ったのは先輩なのに。

先輩のその態度に、少しずつ大きくなっていくイライラした気持ち。


「そんな言い方…」


しなくてもいいじゃないと、キリッと先輩を睨みつけた。


「来い、って言ったのは先輩ですよね。だから来ました、ちゃんとお断りしようと思って」


イライラのせいで早口に言葉を並べて、しまいに語尾まで強めになってしまう。

言い終わった後、なんだかバツが悪くてまた視線を落とした。


でも、吉良先輩はまったく気にすることなく。

どちらかといえば、少し面倒そうな顔したまま眉一つ動かさなかった。


またそれが、気に入らない。


チラッと見えた先輩は、相変わらずの無表情。

何を考えているのか、まったく理解できない。


この人の思ってることなんて、きっとあたしにはわからない。

別に理解しようとも思わないし。