◇ヌードで魅せて◇



ドキン、と胸が高鳴る。

初めて見たそんな先輩の姿に、一瞬で目を奪われて。


真剣な眼差しで、カメラを構えるその姿があまりにも綺麗で。

息を呑んで、その場から動けなくなってしまった。


ここからだと、海も見えるんだ。

海と夕日。

青と赤のコントラスト。

それを背景に先輩の姿を捉えると。


それは1枚の絵画のように見えた。


無意識に後ずさり。

そのとき手に当たった机が、ガタンと少し大きめの音を立てた。


「あっ」


構えられていたカメラは下ろされて。

ゆっくりと振り返る先輩の冷たい瞳が、動揺するあたしを捕らえていた。


「ご、ゴメン…なさい」


その冷たい瞳から逃げたくて、視線を足元へと落とす。

ギュッと握られたスカートには、深いシワがよっていたのが見えた。


ガタガタと物音が聞こえた後。

こちらに近づいてくる足音が聞こえる。


あたしの視線の先に、もう一つのつま先が映りこんできたことで。

慌てて顔を上げると、思いのほか近くに先輩の姿があった。


目の前にいることにビックリして硬直するあたしを、さっきと同じ冷たい瞳が見下ろしてくる。


そう、見てるだけ。

何も言ってくれない。