ドキン、と胸が高鳴る。
初めて見たそんな先輩の姿に、一瞬で目を奪われて。
真剣な眼差しで、カメラを構えるその姿があまりにも綺麗で。
息を呑んで、その場から動けなくなってしまった。
ここからだと、海も見えるんだ。
海と夕日。
青と赤のコントラスト。
それを背景に先輩の姿を捉えると。
それは1枚の絵画のように見えた。
無意識に後ずさり。
そのとき手に当たった机が、ガタンと少し大きめの音を立てた。
「あっ」
構えられていたカメラは下ろされて。
ゆっくりと振り返る先輩の冷たい瞳が、動揺するあたしを捕らえていた。
「ご、ゴメン…なさい」
その冷たい瞳から逃げたくて、視線を足元へと落とす。
ギュッと握られたスカートには、深いシワがよっていたのが見えた。
ガタガタと物音が聞こえた後。
こちらに近づいてくる足音が聞こえる。
あたしの視線の先に、もう一つのつま先が映りこんできたことで。
慌てて顔を上げると、思いのほか近くに先輩の姿があった。
目の前にいることにビックリして硬直するあたしを、さっきと同じ冷たい瞳が見下ろしてくる。
そう、見てるだけ。
何も言ってくれない。

