「……まいったなぁ」
手にしてるワンピースを広げて、さらに深い溜息が零れる。
人差し指で摘んで、目の前をヒラヒラと揺れるフリフリワンピ。
しかも、これ、かなりのミニじゃない!?
いくらなんでも、これはないでしょ……
だからと言って、これを作ってくれた梓に突き返す…という選択肢はないんだけど。
だって、そんなの頑張ってくれた梓に悪いもん。
それでも、やっぱり躊躇してしまう。
童顔のあたしがこれを着たら、ロリ過ぎて…ある意味犯罪では?
「葵、着れた?」
「うぅ…まだっ」
「着れないなら手伝うわよ!?」
「い、いや、大丈夫。間に合ってます」
「早くしなさいよ。他の子だってあとにつかえてるんだから」
半分脅迫のようなそんな声に、渋々ワンピースに腕を通す。
思った以上に短いスカートに、不思議と内股になってしまうのはあたしだけだろうか。
ワンピースもエプロンも、文句なしに可愛かった。
可愛すぎた。
だから余計に、あたしには似合わないんじゃないかと萎縮してしまう。
やっとの思いで着替え終わり、恐る恐るみんなの前へと姿を現すと。
みんなの視線が一斉に集まってくる。
「…あの」
な、何よ。
どうせ、似合わないとか。
馬子にも衣装、とか。
はたまた七五三…とか、言うんでしょ!?

