◇ヌードで魅せて◇



「……まいったなぁ」


手にしてるワンピースを広げて、さらに深い溜息が零れる。

人差し指で摘んで、目の前をヒラヒラと揺れるフリフリワンピ。

しかも、これ、かなりのミニじゃない!?


いくらなんでも、これはないでしょ……

だからと言って、これを作ってくれた梓に突き返す…という選択肢はないんだけど。


だって、そんなの頑張ってくれた梓に悪いもん。


それでも、やっぱり躊躇してしまう。

童顔のあたしがこれを着たら、ロリ過ぎて…ある意味犯罪では?


「葵、着れた?」

「うぅ…まだっ」

「着れないなら手伝うわよ!?」

「い、いや、大丈夫。間に合ってます」

「早くしなさいよ。他の子だってあとにつかえてるんだから」


半分脅迫のようなそんな声に、渋々ワンピースに腕を通す。

思った以上に短いスカートに、不思議と内股になってしまうのはあたしだけだろうか。


ワンピースもエプロンも、文句なしに可愛かった。

可愛すぎた。

だから余計に、あたしには似合わないんじゃないかと萎縮してしまう。


やっとの思いで着替え終わり、恐る恐るみんなの前へと姿を現すと。

みんなの視線が一斉に集まってくる。


「…あの」


な、何よ。

どうせ、似合わないとか。

馬子にも衣装、とか。

はたまた七五三…とか、言うんでしょ!?