グイッと引き寄せられて、先輩の大きな体に抱き締められると。
ドキドキといつもより大きな鼓動があたしの体に振動する。
平気な顔してそんな恥ずかしいこと言ってるくせに、本当はこんなにもドキドキしてくれていることにあたしの中の好きが増していく。
もっと、いろんな先輩を知りたい。
もっと、いろんな顔をした先輩を見てみたい。
「好きだよ、葵」
もっともっと、甘い先輩を感じていきたい。
真っ赤な顔してるのはわかってる、それでも先輩の顔が見たくてゆっくりと顔を上げると。
不意にチュッと音を立てて先輩のキスが降ってくる。
「顔真っ赤」
「誰のせいですか…」
「俺だろ?」
チュッ。
そう言ってまた優しいキスを降らす。
「先輩ってキス魔?」
「みたいだな、俺もはじめて知った」
はにかむ先輩に、あたしのドキドキがさらに増して大きく膨れ上がる好きって気持ち。
どうしよう、もう先輩にこんなにも嵌まって脱げ出すことなんでできないよ。
体育館の外の人影のないところで、こんなバカップルみたいなやり取りをしているあたしたち。
誰かに見つかったら…って思わなくもないけど。
今は完全に二人の世界。
この時間も最高に幸せを感じていた。

