◇ヌードで魅せて◇



『愛しき人』


ぼやける瞳でまた写真を見上げれば、涙のせいで何も見えなくなってしまう。

涙を流し震えるあたしを、後ろからフワリと大きな腕が包み込んでくれる。


いつの間に後ろにいたの?


先輩の腕にしがみつき、その温もりを確かめる。


「俺の、【愛しいもの】だよ」


耳元でそう囁く先輩の優しい声に、小さく頷くことしかできない。

そのたびに、ポロポロと涙を零して先輩の腕を濡らしていくのに。

止められそうもない。


真っ赤な夕日と真っ青な海のグラデーションの中、涙を流すあたしの横顔。


あの日二人で行った海で、あたしは先輩のあの瞳に映ることが出来ていたんだ。