立ち止まったあたしを先輩は『どうした?』と優しく問いかけてくれる。
そんなに愛しそうな瞳で見つめられたら、大丈夫だって気がしてくる。
「素敵な写真だったね…」
「うん、あたしもあんなふうに撮ってもらいたい…」
中から出てきた二人組みの女の人がそんなことを言いながら、あたしたちの隣を通り過ぎていく。
チラッとこちらを向いて、そのあとに『きゃっ』なんて可愛い声を上げながら。
きっと先輩に見惚れているんだ。
どこにいても先輩は目立つのに。
それに加え、表情が穏やかになったから余計にひと目を惹くのもわかる。
「さっきの…どんな写真なんでしょうね」
あれだけ絶賛された写真だもん。
すごく素敵な写真に違いない。
チラチラとこちらに向けられる視線を無視しながら、動かなかった足を無理やり動かし中に入っていく。
動けないほどではないけれど、たくさんの人がそれぞれの作品を見ては笑顔で何かを話している光景を見て、嬉しくなった。
すごいね、素敵、キレイ…
そんな言葉が飛び交う中、写真部の一枚の写真の前には他よりもたくさんの人がある待っているのがわかった。
きっと、そこに吉良先輩の写真がある。
直感的にそう思う。

