◇ヌードで魅せて◇



文化祭まであと2週間を切ったある日。


いつものように教室で文化祭の準備が行われていた。

被服部の子たちが率先して手掛けた、メイド服が完成したと連絡が入って。

女子たち数人のクループに別れて、順番に衣装のチェックをすることになった。


あらかじめ確保しておいた空き教室。

そこを物置兼更衣室代わりに使うことにしてあった。


紺色のワンピースに真っ白なフリフリのエプロン。

まあ、これが横道なメイド服?


もう一着は、真っ白なレースたっぷりのワンピースにピンクのフリフリエプロン。


…これって、メイドなの?

っていうくらい、乙女チックな衣装を前に思わずたじろぐあたしを。

背後から、ガッシリと抱え込む彼女…衣装担当、梓。


「葵はもちろん、白でしょ~!!」

「えぇーっ、やだ~」


バタバタと暴れるあたしをいとも簡単に押さえつけて。


「ヤダとか言わない。これ葵のために作ったんだから」


フフン、と鼻を鳴らす梓を睨みつけてもどこ吹く風、まったく動じない。


「はいはい、チャチャッと着替える!」


無理やり真っ白なワンピースをあたしに持たせて。

そのままパーティションで仕切られた簡易更衣室へと押し込められた。