◇ヌードで魅せて◇



着替えを済ませ、制服姿に戻り控え室から出ると。

廊下のすぐ側の壁に寄り掛かって腕を組んで俯いている先輩が目に入った。

場所は違うけれど、2週間前もこんなふうに先輩はあたしを待ち伏せしていた。


あの時、どんな気持ちでいたのだろう。

俯き、何を考えていたのだろう。


聞いたところできっと教えてくれないだろうけれど。

今思えば、あの時先輩から会いに来てくれなかったら、あたしたちは何も始まらなかっただろう。

あたしはずっと自分の気持ちを封印して、ただ先輩の姿を目で追っているだけの生活を送っていただろう。


「先輩、お待たせしました!」


駆け寄りながら先輩に声をかけると、フッと笑顔を作りながらゆっくりと顔を上げて体を起こした。

そして、行くか、とあたしに手を差し伸べてくれる。


「あたし、先輩の写真大好きなんです」


楽しみだな…と、笑顔で先輩を見上げれば。

先輩の瞳が優しく細められていく。


展示会場になる多目的ホールには、美術部と写真部の作品が飾られている。

入り口には、それぞれのテーマが掲げられていた。


美術部【儚い夢】

写真部【愛しいもの】


思った以上にたくさんの人が出入りするホールの入り口で一度立ち止まった。

すごくドキドキしていた。