「早く着替えで、校内回るぞ」
「はーい。フフッ」
「何?」
「ん、幸せだな…って」
先輩の手、すごくあったかい。
あたしの言葉に照れてしまったのか、そっぽを向いてしまったけれど。
繋がった二人の手が、キュッと優しく握り締められたことで“俺も”って思ってくれてるって勝手に解釈しちゃうよ?
ずっと気になってた人と、ずっと憧れていた人と、こんなふうに手を繋いで歩ける日が来るなんて思ってなかった。
また誰かをこんなにも愛しいって思える日が来るなんて思ってなかった。
あたしの隣で肩を並べて歩いてる。
今までずっと背中ばかりを見てきた人が、隣に並んで微笑んでくれる。
うん…あたしはなんて幸せなんだ。
「結局、展示の写真はどうしたんですか?」
「あぁ、昨日出した」
井上くんから聞いた写真部のテーマ【愛しいもの】
先輩にとって愛しいものってなんだろう……
気になるけど、知るのがちょっと怖い。
だけど……
「見に行く?」
「…はい! 見たいです」
やっぱり、先輩の写真を見てみたい。

