◇ヌードで魅せて◇



先輩にばれないように小さな溜息を吐いて、振り返ろうとしたところで。


「あんま愛想振りまくなよ」


ボソッと零れた先輩の言葉。


「…ほら、早く行け」


シッシッと手を振って追い払うようにしながら、チラッとあたしを見た先輩と目が合って。

フッと優しく笑ってくれたのは見えた瞬間に、あたしも思わず笑顔になった。

そこに『頑張れよ』なんて言葉まで付け加えられちゃったら。

そりゃあもう、張り切らないわけにいかないじゃない?


「お帰りなさいませ、ご主人様!」


緩んだ顔のままで、教室に入ってきた人たちをお出迎えする。

もちろん満面の笑みで。


「……ありえない」

「先輩も大変ですね」


いつの間にか先輩の近くにいた美帆が、そんなあたしを見つめながらフフッと笑う。


「まあ、うちのナンバーワンなんで。あと少し我慢してください」

「あれってわざと?」

「いいえ、いたって真面目に頑張ってるだけですよ」

「…まあそうだろうな」


はぁ…と溜息を吐きながらも、その瞳は優しく、真っ直ぐに見つめ見守っているようにも見えた。