◇ヌードで魅せて◇



「葵、そっち持ってーっ!」

「はーい」


今の時間はみんなで看板作り。

美術部のあたしとしては、ここは腕の見せ所。

あたしと同じ美術部の美帆が下書きをして。

それにみんなで色を乗せていく。


あたしの手にはハケと真っ赤なペンキ。

ぺたぺたと豪快に真っ赤なペンキを塗っていく。


「うわっ、飛ばすな~!」

「あはは、ゴメンゴメン」


ハケを持ったままさらに振り回すあたしの周りからは、ギャーギャー騒ぎながらクラスメイトが去っていく。

そんな光景を他人事のように大笑いしては、隣で作業をする美帆に怒られていた。


こんな時間が楽しくてワクワクする。

学校行事大好き。

お祭り大好き。


これからの3週間、クラスのみんなとも仲良くなれるチャンスだし。

みんなで一致団結、“青春”しちゃってる感じがなんともあたしを奮い立たせる。

他のクラスは知らないけれど。

このクラスで良かった…と、笑顔のクラスメイト達を見てしみじみ思うんだ。