「…先輩を好きにならないこと」
だから、あたしを撮れないって言うの?
あたしの気持ちに気づいちゃったから、だから撮ってくれないの?
「本当は、違う」
「えっ…?」
「本当の意味は違うんだ」
「…どういう、こと?」
あたしの問いに答えることなく、フッと自嘲気味な笑みを零す。
「そんなの、初めから守られてなかったけどな」
そう言って目を伏せた先輩が泣いているように見えたのは気のせいだろうか……
「今の俺には、おまえを撮る勇気がない」
机の上のファイルに手を伸ばし、パラパラとめくると。
そこには、愛しさに溢れた彼女の写真が何十枚と差し込まれていた。
その写真を見て切ない顔をする先輩の横顔を見ていられなくて、目を逸らすしかなかった。
彼女以外は撮れない…そう言われている気がして、苦しさに押しつぶされそうになる。
目を逸らした先には、柔らかく笑う彼女の写真があって。
まるで、あたしを見て笑っているような気持ちにさせられる。
そこから彼女の花のような匂いまでしてきそうで、胸の締め付けはさらに強くなっていった。

