それなのに、どれだけ待っても先輩はカメラを構えたままでシャッターを押すことはなかった。
押さないところか、カメラを構えることすら止めてしまって。
そのままあたしに背を向けてしまう。
「先輩……」
「服、着ろ…」
「どうして……?」
「いいから、早く着ろよ」
どうして…なんて、聞かなくたってわかってた。
先輩は、あたしの写真を撮らないって。
だって、数日とはいえ、放課後いつも一緒にいたのに一度だってあたしを撮ろうとはしなかった。
ただからかっただけで、初めから撮るつもりなんてなかったって気づいてたじゃない。
それでも…一枚でいいから、撮って欲しかった。
先輩のあの写真の中に、一枚でいいからあたしを仲間に入れてほしかった。
「あたしには……そんな価値すら、ないんですね」
ポロリ、涙が頬を伝っていく。
前に見た彼女の写真のように、写ってみたかった。
そんなの無理だってわかってるのに、それこそ夢物語だってわかってた。
あたしでは【愛しいもの】にはなれないってわかってた。

