「先輩……」
好きです。
その言葉は、声になることはなかった。
フラッシュバックする元カレの顔と、そのときの光景。
グッと息が詰まって、声が出ない。
怖い……
先輩のことを好きになりすぎて、突っ走ってしまうことが。
依存しすぎて、自分を見失うことが。
だけど、一番怖いのは。
そんなあたしを、先輩が重たいって感じてしまうことだ。
「ダメだよ…先輩」
ほんの少しだけ残っていた理性が、先輩の胸元を押していた。
トン…と軽く押しただけなのに、簡単に離れていく。
それを悲しく思ってはいけないのに。
離さないで…なんて、思ったらダメなのに。
「ダメだよ…だって、先輩には…彼女、いるでしょ?」
あんなに愛しそうに見つめる素敵な彼女がいるじゃないか。
だから、一時の気の迷いか何かで、こんなことしたらいけないんだ。
「……嫌い」
そう。
「あたしは先輩が…嫌い」
それでいいんだ。
「だから……あたしを撮ってくれる?」
これで、本当に最後にするから。
明日には夢から覚める。
そうしたら……
もう、先輩のことは諦めるから。

