初めは触れるだけのキスだった。
驚きで抵抗することも忘れて、そのまま受け入れた。
何度も何度も啄ばむようなキスを繰り返し、先輩の手があたしの頬を包み込んでいる。
離れたはずの先輩は、また同じように唇を重ねて。
その回数を重ねるたびに、キスも深いものへと変わっていった。
頬を包んでいた右手が、そのまま首の後ろに回されて。
躊躇することなくあたしを求めてきた。
あたしは、それを拒むことはなかった。
先輩になら、遊ばれてもいい。
先輩があたしを求めてくれるなら。
どうなってもかまわない。
こんなあたしでもいいなら。
メチャクチャにしてくれてもいい。
「……抵抗しないんだな」
離れた唇が、触れるか触れないかの距離で動く。
ゆっくりと視線を上げると、すぐ目の前には先輩のキレイな顔。
鼻先が触れる距離で瞳を合わせた。
今のキスのせいで、すごく色っぽい表情をしてる彼にドクンと胸が跳ねる。
目が離せなかった。
その瞳に魅せられて、あたしのココロは簡単に囚われてしまう。
もうダメだ。
あたしはこの人のことが、好きで好きでたまらない。
これじゃあ、また同じ過ちを繰り返すかもしれないのに。
また傷ついてボロボロになるかもしれないのに。
そんなのどうでもいいって思うくらい、先輩のことを好きになっていた。

