「おまえ、平気なの?」
「えっ…」
何が、なんて聞く前に、フッと鼻で笑う先輩が目に入る。
「平気か…だって、俺が嫌いなんだしな」
眉を下げて自嘲気味に笑みを浮かべる先輩に、ズキンと胸が痛んだ。
嫌いじゃない、そう口にしたいのに。
言ったところでどうにもならないじゃないか、とストップをかける。
怖くて先輩の顔が見られない。
「…否定しないんだな」
「…………」
「そうだよな、わかってた…けど」
「先輩……」
「…逃げるなよ」
あたしの腕を掴む先輩の手に力が加わって、その痛みに眉間にしわを寄せた。
「なんで、俺を避ける?」
意味がわかんない。
「そんなに俺が嫌いか?」
だから、意味がわかんないってば。
「逃げんなよ、避けんなよ…」
どうして、そんなに声が震えてるの?
「俺を、嫌いでもいいから……」
どうして、そんなに切ない声を出すの?
先輩のそんな悲しい声に胸が締め付けられる。
ギューギューに押さえつけられて声が出ない。

