やっぱり俺のお気に入り

他の奴らがいると気まずいのか、



教室を出て廊下で話したいらしく俺はそんな宗について行った。



歩き出す宗の後ろ姿が急に立ち止まって俺のほうに振り向いた。



「・・・あのさ、ゴメンな・・・龍斗・・俺・・・」



立ち止まるのと同時に小さな宗の声が聞こえた。



「ゴメンってなんだよ??」



「俺・・・俺さ・・・・・平岡さんが・・・好きなんだ・・・」



やっぱり・・・宗は未来を・・・



「そのことか・・・」



好きなのか・・・・・。



「もしかして知ってた?平岡さんから聞いたとか??」



「違う・・・でもまぁ・・・そうかもってのは知ってた」



「そっか・・・龍斗は俺をムカつかないのか?」



「別に・・・」



ムカつくよりも思うのは、



なんで未来はこのことを俺に言わなかったのかってことだ。



「それが宗の話したいことってやつか?」



「あぁ。俺さ、文化発表会で平岡さんの歌聴いた時マジびっくりして・・・あの瞬間からもうヤバかった。龍斗の彼女ってのは噂で聞いてたから・・・何度も諦めなきゃって自分に言い聞かせてたのに全然ダメでさ・・・そう思えば思うほど好きになっちまって・・・」



「それで?未来に告ったのかよ?」



「どうしても気持ちを伝えたくて、伝えたいって気持ちを抑え切れなくて・・・・・ゴメン・・・・・」