やっぱり俺のお気に入り

俺の気持ちを察して、包み込むように未来が俺の手をしっかり握る。



俺も未来の指に自分の指をそっとからめて見つめ合う。



不思議なくらいゆっくりとした時間が流れる。



二人で目と目を合わせ、お互い黙ったまま。



言葉を交わさなくても伝わるぬくもり。



トントン




「未来?」



ドアのノックの音とともに、未来のお母さんの声。



「未来~!!ご飯食べましょう♪雨宮君も一緒にね」



「どうする?龍斗。きっと青山先生まだいるよ??あたしは龍斗にまだいてほしいけど・・・」



遠慮がちに未来が俺に聞く。



「俺なら大丈夫だって言っただろ??」



未来は黙って俺の言葉に頷くと



「今、行くから!」



と、お母さんに返事をした。