「・・・事情があって想い合っているのに・・・この二人は結局別れるしか方法がなかったらしいの。でも別れてもお互いの気持ちは同じだよねって信じあって・・・別れの日、どちらかともなく約束をしたんだって・・・」



「約束？？」



「うん。いつかそれぞれに子供が出来たら・・・その子供同士も愛し合えたらいいねって・・・自分達が叶えることの出来なかった想いを、その子供同士が叶えてほしいねって、笑顔でそう言いながら約束をしたんだって・・・・・」



「子供同士って・・・・・それが・・・未来と青山・・・？」



「・・・・・」



未来は俺の言葉に小さく頷いて、その後、少し寂しそうな顔をした。



「だからって未来の気持ちはどうなんだよ？？そんなのおかしいよ！お母さんのために・・・・・青山と？・・・・・」



親同士が自分達の想いばかり優先して子供に押し付けるなんて・・・あまりにも勝手じゃねぇのかよ・・・・・。



未来は右手でメガネを外すと、机の上にそっと置いた。



そして俺の顔をじっと見つめた。



少しの間、見つめ合う視線。



綺麗で・・・・・大きな瞳が俺を真っ直ぐに見つめながら涙ぐむ。