顔を寄せ合い笑顔で写る幸せそうな二人の写真。



それは誰が見ても幸せな恋人同士にしか見えないだろう。



男の方は髪の色が少し違うが青山によく似ていた。



「青山じゃないなら・・・じゃあ、誰?」



「うん。この人はお母さんの今でも一番大切な人・・・・・青山先生の・・・お父さん・・・なの。お母さんはね、この人を今でも想ってる。この写真の頃と変わらずに・・・同じ想いで・・・・・そして青山先生はこの人の息子なの・・・」



「青山のお父さん??」



「・・・うん・・・」



未来のお母さんと青山のお父さんは恋人だったってことか??



「でもちょっと待って・・・だからって何で青山が未来の家にいるんだよ??意味分かんねぇ・・・」



「あたしだって最初にお母さんに話を聞いた時は理解出来なかった・・・お母さんはこの人を愛していながらお父さんと結婚して、あたしを産んで・・・この人だって他の女の人と結婚して・・・青山先生が生まれた・・・・・愛し合ってるのにどうして??って・・・」



「未来のお父さんは・・・」



「もちろん全部知ってる。知ってる上でお母さんを愛して、結婚したの。お父さんはこの人を愛し続けるお母さんを、そのすべてを受け止めて・・・それでもいいって、それでお母さんと結婚したんだと思う・・・」



頭の中が混乱して上手く消化出来ない俺。



「お父さんは、泣きながらその人を愛してるって言うお母さんを抱きしめて、それでもお母さんを好きだって言ったんだって。そんなお母さんを全部受け止めて愛したの」



気持ちの絡み合った複雑な話に俺の思考回路が追いつかない。