「そんなことないよ。手紙は読むよ。家帰ったらゆっくりね」



そんな泣きそうになってる女に、



思わずまた俺は心にもない言葉を言ってしまう。



これが俺のいけないところか?



手紙なんかどうでもいいくせに・・・・・。



どうせフルくせに・・・・・。



いつもそうだ。



はっきりとは断ったりしない。



「ホントに?ホントに読んでくれますか??」



なのに、ほら・・・目の前のこの女も信じちゃってるし。



読む気なんか・・・ないのに・・・・・。



家帰る時、読まずに捨てようと思っているのに・・・・・。



そんな素振りも見せず、俺は笑顔を作った。



「ホントだよ」



「よかった・・・嬉しいです。ゴメンなさい。あたしなんかからもらっても嬉しくなんかないですよね??スイマセン・・・でも、ありがとう・・・返事はいりませんから・・・読んでもらえるだけで・・・」



女は何度も言葉に詰まりながらそう言い終わると、



最後にニコっと笑って教室から出て行った。