「・・・龍斗の気持ちを独占してる子って・・・最近龍斗がいつも一緒にいるあの子?」



少し落ち着きを取り戻した優が俺に聞いた。



「あぁ、そいつと付き合ってるんだ。初めて本気で好きになった女でさ・・・」



「そっか・・・」



目の前の優はいつもの優に戻っていく。



俺を真っ直ぐに見る優の目から流れる一粒の涙。



「優とはずっと曖昧な中途半端な付き合いで悪かったと思ってる・・・マジでゴメンな・・・」



優は細い指先でその涙を拭う。



「いいな。その子・・・龍斗にこんなに思われるなんて・・・奇跡みたいなもんだよね??龍斗が本気で女の子と向き合うなんて・・・龍斗はそういうことが出来ない自由な人だとずっと思ってたから・・・・・」



俺のいい加減さがこうして優まで傷付けちまった事実。



俺はしっかり受け止めるから・・・・・。



「あたし、絶対龍斗よりいい男見つけてやるんだから!!」



「優、お前はいい女だからな」



最低な奴だった俺を忘れていい男を見つけてほしい。



「龍斗も・・・・・いい男だよ」



照れながらそう言った優を俺は素直に可愛いと思った。