君に奇跡が起きますように



「お前は、そんなんじゃなかったろ。一匹狼みたいな、強い奴だった。男にすがったりなんかしなかった!」

大我はどこか悲しそうにそう言う。

は、とあたしは思った。

なんだそれ、あたしはそんなんじゃない。

強い奴なんかじゃない。

元々、強くなんかない。

それに、今だって男にすがってなんかいない。

なんだよ。なんでそんなこと言うんだよ。

どいつもこいつも、わけわかんねぇ。

「つーか!」


あたしは大我を睨むように見上げた。


「もし繋いでたとしても大我には関係無いだろ!」


そう怒鳴ってから、大我の横をすり抜ける。そしてあたしは走り出した。


頭が、ごちゃごちゃだ。